2011/09/17

レビュー(13)

★★★★☆
オルークの2002年の名盤のボーナスディスク付き再編集/再発。

元々アルバムに含まれていた部分(Disc 1)は素晴らしい。#1はチラチラと蠢き、飛び廻る透明感のある電子音のミニマルな展開。#2からはそれに楽器音やサンプルがあくまでもミニマルな装いを残したまま加わる。フォークトロニカの名盤、Greg Davis/ArborやDot Tape Dotの諸作のような感じ。あるいは日本のフォークトロニカの金字塔、SoraのRe.sortまでも思い起こす。2002年だからこれらより前~ほぼ同時期。その後この手のサウンドはある程度興隆を見せるのだけど、未だにこのアルバムのサウンドは色あせていないように感じる。#3は弦楽器を中心とした楽器音などが浮かんでは消えてゆく静謐な曲。Terminal Pharmacyのコラージュ感覚を聴き易くしたようで素晴らしい。

問題はDisc 2。ボーナスディスクとして加えられた部分だが、正直言って余分だった。方向性の違う実験的サウンド。ちょうど最近リリースされたOld Newsシリーズのよう(同時期のライブの編集だろうか?)。Disc 1にTerminal Pharmacyを聴き易くした、と書いたけど、これはそのままと言うか。Disc 1と方向性がかなり違うので(手法は近いのだろうけど)カップリングする意図が見えない。無調で実験的、Disc 1とはまた違った静かで不穏なサウンドが流れる。

所詮はボーナスディスクか。Disc 1だけなら★5だけど、Disc 2の分-1した。旧譜を持っている方ならそれで十分。

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