2011/09/08

レビュー(8)

Frank Zappa
Zappa Records
発売日:1995-04-28

★★★★☆
一曲を除いて全てシンクラヴィアの自動演奏で作られた似非ジャズロック。グラミー賞も受賞した。

ジャズのモード奏法に近いコード進行だが、現代音楽の影響も感じられる新鮮なフレーズ。完全にフリー演奏のようなフレーズだが、実は自動演奏で、実際によく聞いてみると如何にもプログラミング臭い所が似非ジャズしていて面白すぎる。おそらく人間には弾けない運指だと思われる。

ザッパ作品のスリリングなソロ演奏にも負けないスリリングさ、そして似非っぽさ。なんとも魅力にあふれた一枚だと感じる。そしてザッパにしか作れない作品だと感じる。またひと味違うザッパを聞きたい人にお勧めだが、これをザッパ入門にするのもありだと思う。複雑怪奇なソロ演奏を繰り広げるけど、意外にポップな面も持ちあわせるから。

So many tears
バウンディ
発売日:2011-09-07

★★★☆☆
茂木欣一(スカパラ、フィッシュマンズ)、加藤隆志(スカパラ)、柏原譲(ポラリス)の3氏によるニューダブポップバンド、So many tearsのファースト(先行発売EPも同タイトルだけど、これはアルバムの方)。

ex-フィッシュマンズのリズム隊だけに、かなり期待してしまったのだけど、やはりヴォーカル・作曲・ギターを手がける加藤隆志の色が濃いのか。フィッシュマンズっぽい所もある(#6)けど、基本は強力なリズム隊をバックにしたジャングリッシュのダブポップといった所。ドラムスもベースも聴きどころは多いのだけど、曲自体の魅力とジャングリッシュが気になって、初回聴きでは今ひとつ馴染めない。唯一ジャムセッションぽい#8はそこそこ楽しめたけど、ポラリスの「瞬間」以上のものではないかな。

とにかくジャングリッシュはやめたほうがいいと思う。せっかく日本語が馴染みやすいダブポップをやるんだし。入れるんだったらフィッシュマンズレベルのサビだけとか、そういうJ-POPらしい形にしたほうが。

比較対象が個人的に崇拝レベルに達しているフィッシュマンズとポラリスだけに評価が厳しくなってしまうけど、多分水準(何が基準?)以上のサウンドは出していると思う。でもメンバーを考えるともう+αが欲しかった。

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